イカモノグイのお品書き

札幌マニアックスポット 時々、雑記。猫。

割といい大人が2、3度漏らしたりしてるけど、今楽しく生きてるよ。(大、中、小共に)

思い出すと、過去の一番イタイ記憶は、失恋でも、わき毛ボーボーでノースリーブを着てデートしてしまったことでもなく

 

OMORASI!!!

 

そう、おもらしです・・・。私は数度ほど、それで人生をリタイヤしかけたことがある。

 

第一章

まず、一つ目は中学の全校集会でのおもらし・・・。

あれは、桜舞う、四月の出来事だ。木々の緑は柔らかく私を包み、小学生から中学生へと変わる自分、これから新しい友と語らい、時に恋をしたり、部活や勉強に励んだり、私は希望に満ち溢れていた。入学式翌日、体育館で全校集会が行われた、前半は、各部活動の紹介。PTAの話。そして最後に校長先生の話の間に尿意を感じ始めた。床に体育座りをしていた生徒たち。丁度オセロで言うところの、真ん中のあたりに私は座っていた。今、ここで立てば、とても目立つ!

アイツ、おしっこが我慢できなかったのか、と囃し立てられるかもしれない。

もしくは、「こんなッタリー話なんか聞いてられっかよ!」と席を立ったように思われて、スケバンに目を付けられるかもしれない。(当時まだ、スケバンは普通にいた。)

なんてことを考えているうちに、尿意が限界をこえ、失敗してしまったのだ。

今なら、吐きそうな振りをする、とか貧血を装って倒れてみるとか、方法はあったはずだが、その当時の私にはそこまでの考えには至らなかった。

ちなみに、その後、一週間程、登校拒否になった。もっと言えば、

「死にたーい」となっていた。その空気は家庭内の夕食時間も重たくし、母親も担任の先生から聞いて知っているはずだが、その話題に触れず、私が学校に行かなくなって数日後、普段ほとんど話さない父親が「ちょっと、いいか」と部屋に入ってきた。

私は父親と目をあわせず、ずっと窓の外を見ていた。スズメがとんでいて、

(あぁ、スズメは良いな。どこでもおしっこできるんだもの。)とうつろに考えていた。父はそんな私と特に目を合わせるわけでもなく、私の背中に

「父さんはなぁ、高校入試の時にな、下痢便もらしたんや。泣きながら家に帰ったんやけど、ズボンの裾からうん〇がポロポロ出てきてな、ヘンゼルとグレーテルみたいやったわ。結局その高校に受かってしまってな、しばらく友達出来んかったわ。」

と、神妙に語りかけ、私は

「うん。」

とつぶやいて、父はそれ以上何も話さず静かに部屋を出た。

翌日から私は登校した。今思えばものすごい勇気である。それから、徐々に友人が出来私の中学生ライフは終えることが出来た。しかし、その経験から、私は目立つことを避け、なるべくひっそりと存在するように心がけていた。そして、高校は市外の誰も私を知らない学校へ入学したのだ。

 

第二章

次は、高校センター模擬試験会場での尿漏れアンド爆音のオナラ。その日、プレッシャーに弱い私は、朝からお腹が張っておりテストの中盤くらいから、時々、襲われるオナラの波を我慢していた。マークシートを塗りつぶし鉛筆の芯がすり減っていくとともに、私の下々の筋力も消耗していく。このままでは、テストに集中できない。そうだ!それはうまくスカシッペを決めればいいだけの話。

という事で、一か八か、私は勝負に出た。お腹の具合からいくと勝算は8対2で、こちらに軍配があがるはずだった。

そう、上がるはずだったのに・・・。私は負けたのだ。

静寂の教室内にバリバリブボボォ~という、割とでかめの音が放たれ、私はその数秒間目の前が真っ暗になった。

これは、決して比喩ではなく、本当に目の前が真っ暗になったのだ。そして、その数秒間で私はジョロっと少量の尿漏れ。

 

とりあえず、そこから我に返った私は傾向と対策を練ることにした。

というより、傾向は結果として出ている。この状況を一ミリでもいい、改善できれば。そうだ、対策だ。ここで一番重要なのは、センター試験の結果ではない。もう、そこで色々間違っているのだが、私はあがくことに決めた。

思春期のプライドをもって!

まず、座っている椅子をひくふりをして、床面と椅子の脚部分のゴム面とを擦り合わせ、その摩擦で音を生じさせる、という手段だ。

これは、授業中、お腹のグゥーという音をカモフラージュするために万人が、一度は行ったことがある方法ではなかろうか。

まず、この方法を試してみるが、音の質が違う。まず、音の周波数がちがうのだ。

これはだめだ。では次に、鼻をすすりつつ、喉の奥の方で、扁桃腺を揺らしブルルという音を出してみる。これは、音の出どころが、根本的には同じ人体という意味でも有効であるように思えた。

確かに、先ほどの椅子や机を動かす音より、リアルである。そして、他に変わるものがないため、私はその作戦を推し進めることで、少しの心の安定を求めたのだ。試験時間後半、私はズーズーと、空鼻をすすりまくり、数学の問題より、己のケツ穴問題に重きを置きすぎて、数学の結果が散々だったのは言うまでもない。

 

第三章

今までの経験からみれば、今からの経験はライト級だ。

私は、自転車で出勤していた。前日焼酎の牛乳割をしこたま呑んだせいで、お腹はゆるゆるだった。出勤前、家でしっかりと出すもの出してきていたため、心のどこかに油断が生じていた。自転車をこぎながら、オナラを出そうとサドルから軽くケツを上げた。

ぷす、ぷすと軽快にガスが出る。出ると共に、お腹も軽くなってくる。私は調子に乗りその後も、波がきたら「ケツ上げぷすぷす走行」でリズムを取りながら、自転車をこぐ。

道は下り坂。夏風を感じたくて、すこし大胆になった。

再びケツ上げ、一発目、「あ」と思った。熱い何かが、股のあたりに広がっていくのを感じた。おそるおそる、股をみる。「よかった」

今日は黒ズボンをはいていた。目立った外傷はない。いける、これなら、いける!

家に引き返すと完全に遅刻だ。よし、もうこのままいく!

当時介護職で働いていた私は、職場につくなり、先日退所したAさんの置き土産のオムツを一枚頂いた。そして、入浴介助時の短パンに着替えた。仕事中同僚に

「なんで、短パンなの?」と幾人にも問われたが、来る途中、こけてズボンが相当汚れたから、と力技で押し切った。何人かは気が付いていたと思う。匂いで。

これが、私とオムツとの出会いの始まりである。

この出会いは、様々な局面でその後の私を助けてくれることとなる。その話はまた、いずれ書きたいと思っている。

そして、私が一番言いたいのは、

死ぬほど恥ずかしいことあるけど、今、フツーに生きてるよ。と過去の自分に言ってあげたい。