イカモノグイのお品書き

札幌マニアックスポット 時々、雑記。猫。

神経性頻尿との付き合い方

 

 

神経性頻尿と付き合う事10数年・・・。(遠い目)

その、付き合い方と、対処法について、経験に基づき考えてみたい。

きっかけ

それは、些細なこと。当時私は会社員。月に一度の会社の会議。それは大抵、2時間から、長くても3時間。途中で休憩を一度挟み、行われるアレです。

 

その頃私は新入社員、初めて会議の書記に選ばれ、気合十分。専務や主任に間を挟まれ忙しくペンをカリカリやっていた。その会議後半に、わずかながら、尿意を感じ始めていた。さっき、休憩を挟んだばかり、その時にトイレに言っておけばよかった・・・。

などと気楽に考えていた。まぁ、いつか終わるでしょう・・・。

「え、ではこれから本題に入ります。」

え?ちょっと待って、これから?てことは、まだ現段階、起承転結の「起承」部分にすぎないと?隣の主任は聞こえるか聞こえないか程の溜息をついた。

 

まだ、ながくなる・・・。のか・・・?

 

そこから一気に私の尿意が強くなっていった。

ワタシ、ショキ 。ココ、ヌケラレナイ。

そのとき、ふと、中学時代の漏らし事件を思い出した。それと同時に、動悸が始まり、手にジワジワと汗。やばい!と思い、足をクロスさせ、尿道を物理的に絞める。

それからの時間、私は耐えた。ひたすらに耐えた。社長の言葉に耳を傾けるが、なにも私には届かない。あぁ、どこか遠い異国の言葉のようだ・・・。

 

その後

私は、乗り切った。そして会議が終わった途端、なぜか先ほどまでの強烈な尿意が和らいでいた。あ、なんだ、大丈夫だったんだ。そう思いながらも一応トイレに行った。

その日を皮切りに、私は会議中、バスの中、電車の中、デート中、果ては誰かと一対一で話す場面で、必ずその強い尿意に襲われた。

 

誘発に至る心因

  1. 「漏らすかもしれない」という恐怖(過去に漏らし済み
  2. トイレにしばらくいけないかもしれない、という思い(シャトルバスなど)
  3. 例えば、一対一で話す場合、相手がマシンガントークであったり、熱い思いを抱いて話していると感じると一気に尿意に襲われる。
  4. 「あ、ちょっとトイレに行ってきますね」と言えばいいだけなのだが、話の腰を折るのではないか、今までオシッコ我慢して聞いていたのか?と思われ失礼ではないか?と考えすぎてしまう。
  5. 以前、上司の長話中に二度もトイレに立ち、その際、「胆石さん、またトイレー?ちゃんとしてくださいよー。」と多数の前で注意されたことがある。

以前とっていた対策

 

  1. 高速バスやシャトルバスなどには極力乗らないようにした。
  2. 飛行機に乗るときは、通路側の席を指定する。(本当は窓側が好きだった泣)
  3. 私はカフェイン中毒で、毎日コーヒーを、それこそフランス人がペリエとか飲むくらいの頻度(想像)で飲んでいたのだが、外出日には朝からデカフェに切り替えた。(緑茶、紅茶、ウーロン茶もしかり)
  4. ここぞという場面では水分摂取を控え、ペットボトルのキャップから死に水の如く口を湿らせる程度の水分摂取に留めた。
  5. 果物のジュースなどはオシッコになりやすいため飲まず、さらに水より尿になりにくいポカリやアクエリを飲むようにした
  6. トイレでは、尿だけでなく、口内の唾液も絞り出し尿と共に流した。
  7. その後転職したのだが、自由にトイレにいける職場を選んだ。

しかし、それでも状況はほとんど改善しなかった。のだ。

十分前にトイレに行ったにもかかわらず、襲いかかる強烈な尿意。水分を取っていないのに、外出時何度もトイレに行ってしまう。そして、まぁ、わりとそこそこ尿量が出るのだ。

もうボーコー云々の問題ではなく、まさに心因性心因性たる所以なのだが、トイレを心配するあまり、そのことが頭から離れない、ちょっとした強迫性障害のそれだ。

あれ、ガス閉めたかな?鍵かけたかな?一度確認しても、またすぐに心配になる。

よく、「トイレの事考えなければいいんだよ」といわれるが、そんなこと、百も承知で、

その事象を考えないようにすればする程あたまから離れてくれない。

おすな、おすな、と言われて、押して成り立つギャグのように

考えるな、考えるなという事と、考えてしまう、湧き上がってくる不安はもう、それは一つのダチョウ倶楽部と熱湯風呂のようなお家芸なのだ。

そのため、外出が苦痛になり(家では何時間でもオシッコを我慢できるのだ。)本格的に生活に支障が出てきたためとうとう、病院へ行くことにした。

もちろん病院に行く前にドラッグストアの市販の薬も何度となく試していた。

その大体が、尿漏れや夜間の頻尿用で、それ以外の薬もほとんど効果は感じなかった。

 

病院

これは、心因性だろう、とタカをくくっていた私は四の五の言わず心療内科へ向かった。暗い目をした私はとてもその場に馴染み、ここでだったら、私別に、いいんだ。最悪漏らしても病院だし、だってどこかおかしいんだもん、私の体。

これは、とても失礼にも思えたが、逆に私を助けた思いだった。そう、別に、私、ちゃんとしてなくていい。病院の待合室で少し解決の糸口が、見えてきたような気がした。

 

その後、神経性頻尿と診断されたが、一応泌尿器科にも行って、一度診察を受けてほしいと言われ、近所の泌尿器科に言った。その頃あたりから、過活動膀胱のテレビCMが流れだし、「一度、検査を」と、優しい声で藤田弓子さんが言うものだから、すっかりぬるま湯の私は、診察室から

「胆石さーん」

と呼ばれるまで温かい藤田弓子の言葉に包まれていたのだが、そこに入ると看護師が

「パンツを脱いで、ここに寝てくださいねー」

と軽快な口調でおっしゃる。

「脱いで、どういたしましょうか・・・。」

事態を飲み込めない私は、おずおずと看護師の顔をのぞくと

「あ、今からね、カテーテル尿道に通すから。」

と、「あ、カラオケでもいくー?」くらいの、親しさと軽さで言ってくるではないか。

そんな、予定私には無かった。だって、あんなちーさい穴に、何かしらの管を逆流させるわけでしょ?絶対、イタイでしょ!自分でも、なにがどうなってんだかよくわからない部分なんだぜ、恐すぎる!

「え、ちょっとまってくださいねー、少し時間かかりますかー?」などと忙しい振りをしつつ、ここは検尿で、の流れに持っていきたい私。

「すぐ、終わりますよー。これ、しないと診察にはいれないからー。」と追い込む看護師。私は、そこで、観念し

「すみません。気持ちの準備が出来てなくて、ちょっと今日のところは、一度家に持ち帰って、考えてみます。」と、気弱に答えた。

結果、しょうがないですね、と言ってもらえ、私は無事恐怖のカテーテルを脱した。帰りの祭の受付はなんともいたたまれない空気で、私は背中を丸めて早足に病院を出た。35歳の夏だった。

 

検査について

全ての病院でカテーテルでの検査があるのではないようだ。どうしても、抵抗がある方は(私は根性がなかった)、わたしの二の舞にならぬよう、あらかじめ行く病院に電話をして確認してみることをお勧めする。

 

結果

私は、大人用おむつを、必要な場面では使用することになった。

ようは、この頻尿を治そう、という頭から、漏らしても大丈夫なようにすればいいじゃん!にシフトしたのだ。

その結果、私の頻尿はかなり軽減されたのだ。

後日、実際に使用した感想や、着用感についても書いていきたいと思う。